ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた

著:パット・シップマン
監訳:河合 信和
訳:柴田 譲治
原書房(2015/12発売)
ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか?
という疑問に対する仮説は種々あるが、本書は最新の年代測定結果を元に、従来の説よりも1万年以上古い4万年前にネアンデルタール人は絶滅していた・・・という仮説を立て、推理を進める。
内容的には、より詳しく判明した
・火山噴火を含むマクロ的な気候変動
・現生人類の侵入
ネアンデルタールの非弾力的な生活様式
・オオカミからイヌに変化する家畜化
をその根拠材料として挙げる。
筆者の言わんとすることはシンプルなので、内容的には増量のための記述も見受けられる。
ウィキペディアでは、ネアンデルタール人の「絶滅」について、冒頭で、
ネアンデルタール人が絶滅したのは2万数千年前
と記述されているが、続く箇所では、
2014年8月20日、ネイチャー誌にネアンデルタール人の絶滅は4万年前であったとする最新の学説が掲載された。
とあり、この点でもあと数年後の変化がどうなるか興味がある。