暗号【アトリビュート】で読み解く名画

-美術鑑賞がグッと楽しくなる!-
監修:岡部昌幸
世界文化社(2021年3月)
ISBN:9784418212019
絵画は、一発勝負なので、作者の思いを表現するために属性を示す事物:アトリビュートが書き加えることが多い。
小道具、動物、自然状態がその典型であり、古典西洋絵画には殆ど描かれている。

ラピズラズリ顔料で彩色された青色マントは、聖母マリアを示す・・・ということは、西欧宗教圏の人々にとっては、幼い頃教会で周りの大人たちから教示された常識だが、仏教圏の我々にとっては学習してやっと理解する・・・というようなこと。
本書は、そのアトリビュートによって描かれた人物の特定・意味等を説明するもので、美術館に足を運ぶ前に一読しておくとより理解が深まることが期待できる。

p106で、

ja.wikipedia.org

について、
“白貂は後から描き加えたもの”
としている。そうでは無いと思う。

p118の「蛇」について、
一般に蛇には「邪悪、原罪、異端、嫉妬」の意味があるとされているが、
更に「賢明、再生、不死身」の象徴ともされているのが面白い。
「医神アスクレピオス」の象徴としてWHOの紋章には「蛇」がある。