とてつもない嘘の世界史

著:トム・フィリップス 
訳:禰冝田 亜希 
河出書房新社(2020.06)
ISBN:9784309228068
著者は以前に、「とてつもない失敗の世界史」という本を上梓している。
本書のエピソードは、それと重なる部分がある。

両書とも、「・・・の世界史」と日本語版では銘打っているが、言い過ぎである。
前書の原題は、"Humans"だが、人類(のヘマ物語)
本書の原題は、"Truth"だが、真実(を覆い隠す嘘の物語)
の方が“世界史”を標榜するよりも内容に即していると思う。

ネットワーク社会の中、如何に“フェイクニュース”を見分けるか・・・が大切だが、
印刷技術の発展に伴い「新聞」というメディアが創造されるや否や、デマを捏造する輩が輩出した。

なんとその中には、100ドル札の顔:ベンジャミン・フランクリンが居て、本書では(人口に膾炙していない)その悪行が縷々語られている。

第一次世界大戦の引き金となった「サラエボ事件」のとてつもない巡り合わせの出来事について、著者はまったくの嘘っぱちである・・・と断言する。(p252)
17世紀の「オランダのチューリップ投機バブル」についても、著者はまったくの嘘っぱちである・・・と断言する。(p253)
但し、その裏付けとなる出典については、明らかにしていないので、真偽は不明である。