現代の冒険

著:クリス・ボニントン
訳:田口 二郎/中村 輝子
岩波書店(1987年)
ISBN:4000006002/4000006010
著者は、プロの登山家・探検家・ジャーナリスト。
ウィキペディアの著者近影はお年をお召しになった姿だが、本書では1981年当時の若々しい笑顔である。
上巻:山・極地・河
下巻:海・空・洞窟・宇宙
という風に、各冒険家が出版した手記を基に再構成した内容となっている。

本書は、ウィキペディア紹介では、著書として見当たらない。
普通、冒険家のイメージとして独立心旺盛で、他人の書いた書物なんて気にもかけないところがあると思うが、「冒険」というのもの位置付けの指針を著者なりに纏めたかったのではなかろうか・・・と推察する。

「山」では、エヴェレストのヒラリー、テンジンを頂きとしたヒマラヤ登攀史が語られ、「海」では、避けて通れない「コン・チキ号」のヘイエルダールが登場する。
植村直己氏も取り上げられている。

興味深いのは、
大西洋・大西洋を「ボート漕ぎ」で横断した、ジョン・フェアファックス、シルヴィア・クック。
気球で大西洋を飛んだ、マックス・アンダースン、ベン・アブルッツォ、ラリー・ニューマン。
冒険直後、人々の大興奮を引き起こしたことに触れられているが、上記の人名は現在のウィキペディアには見つからない。
人の記憶の儚さよ。