「地球の歩き方」の歩き方

著:山口 さやか/山口 誠
新潮社(2009/11)
ISBN:9784103202219
表題は、【「地球の歩き方」の歩きし方】の方が適している、と思う。

1974年の夏休みに、ダイヤモンド・スチューデント・ツアー(DST)で約30日間、ヨーロッパ個人旅行をした。
その時の旅行記は、弊ブログの2005年夏に、行動同一日に合わせて公開している。
20歳で多感の頃の一人旅はその後今に至るまでの宝の思い出である。

本書は、DSTが如何にして創造・発展し、旅行ガイド「地球の歩き方」としてシリーズ化したかを、関係者からの聞き取りを基に構成した本である。

弊方が参加した1974年はDSTが本格的に開始した年、だったことを今知った。
海外個人旅行のバイブル:深夜特急、の初版は1986年なので、相当先んじていたようだ。

就職後は海外旅行なんて現実的では無なかった世界だが、本書によるその後の海外旅行業界の推移を反芻させてくれた。
リクルート・ヤングツアー”なんて、全く知らなかった。流石、利に聡い会社。儲かる業界への嗅覚力は鋭い。その後「AB・ROAD」誌発行し盛り上がったが、ネットの普及で今は跡形もなく、今ウィキペディアで検索しても殆どヒットしない。

円高による海外旅行への行きやすさ等の外部要因による社会変化に対応することの大切さを旅行ガイドブックという実例をもって教えてくれる本。