―JR福知山線事故の真因と被害者の20年-
著:柳田邦男
文藝春秋(2025/04)
ISBN:9784163906379
著者は、丹念に当事者に取材し、心を開いて頂いた結果、誠に貴重な内容が盛られた本に結実した。
カラー口絵の事故概要からして分かり易いし、その中の登場人物も過不足なく表現されている。
p342・p359の、
「人は他者の痛みには、何年でも耐えられる」
の言葉は、重い。
事故の「原因」と「状況要因」とを厳密に分け(p453)、JR西日本の経営層・管理層に対し、「なぜなぜ分析図」で追及できるようになった結果を上梓できるまでになったまでには、20年間を要した。
分割・民営化の際に「JR西日本」に所属することになった学友は(風のたよりに)負傷者担当者としてアサインされたと聞く。
弊方は、仮に鉄道会社に残るとしたら、東海が志望だった。
しかし、“稼ぐ”ことを至上命題とするような分割後の体質にさほど差は無かった・・・かな・・・とも思っている。