人類の足跡10万年全史

OUT OF EDEN : The Peopling of the World
Stephen Oppenheimer
著:スティーヴン・オッペンハイマー
訳:仲村 明子
ISBN:9784794216250 (4794216254)
草思社 (2007-09-07出版)
現生人類の祖先が「出アフリカ」経てどのように地球上に拡がったか、その最新の考え方を理解することができる。
小生は、出アフリカ(エクソダス)は、シナイ半島方面からあった、と今まで思っていた。
そのような試みはなされたが、その人類の一団は絶滅し、後に紅海の南の端バーブ・エル・マンデブ「悲しみの門」から約8万5千年前にイエメン方面に移動した一団の子孫だけが、現生人類として現在地球上に展開した・・・ということを述べている。
地球の気候変化で地表は氷河・草原と変化し、さらに大規模火山噴火の影響を蒙りつつ、未踏の新世界を求めて進出していった人類。
その、残滓の特性が更なる未開領域を求めて所謂「冒険」として、我々の心を躍らせるのであろう。
また、仲間対余所者の対応の差異が、所謂「攻撃性」として、戦争紛争の発生源となっているのであろう。
根本的な性質に遺伝的な制限があるならば、人類のみが持つことができた文化で、これを克服すべきであり、またそうしなければ、歴史が物語るように「絶滅」は不可避ではなかろうか。