ディズニーランドのホスピタリティ

―世界一のアルバイトはどのようにして生まれたのか-
著:小松田 勝
長崎出版 (2010/08)
ISBN:978-4-86095-417-8
浦安にあるそこは「非日常」性を楽しむための場所である。
9割近くのスタッフが準社員(p134)である中で、如何に彼らに規律ある職務を全うさせるか。
それに対する答えが開陳されている。
そこのゲートをくぐると、使用されている「ゲスト」、「キャスト」という言葉は、人口に膾炙している。
さらに、掃除の仕事は、「カストーディアル」というカタカナ語に変換されている。
custodialは、本来保管の、保護の・・・という意味だが、カタカナで、なにか別の素晴らしいものの概念のように説明される。
仕事を如何に若者に積極的にやらさしめるか、の考え方と動機付けでは、一歩抜きん出ている。
特別の事情がある来客に対して特別の対応をした、という逸話は惜しみなく公開され、従業員に感動を与え、更なるモティベーションへと昇華させるところは、ノウハウであろう。
マニュアルに対する考え方をよく表すものは、
「マニュアルとは”技能”を”技術化”するもの」であり、「技能とは、今現在にしかできない、素晴らしい能力やサービスのこと。技術化とは、誰もが同じようにできるよう標準化、一般化すること」である(p92)
の下りである。
 
さて、そこに来る手紙の3分の2くらいは、クレームの手紙(p160、p198)だそうである。
やや、驚き。