アマゾンとアンデスにおける一植物学者の手記

リチャード・スプルース著「アマゾンとアンデスにおける一植物学者の手記」
ウォレスとベイツの後、19世紀のアマゾンに入った英国のプラントコレクタの旅行記を、アルフレッド・ウォレスが編纂した書物である。
ウォレスは昆虫収集、スプルースは植物採集と方面が違うが、この手の方面に於いてのイギリス人の強靭さには舌を巻く。
本国の出資者からの後援を受けて南米に向かい、しばしば逃走する現地調達の使用人に手を焼きながら、熱帯地勢や悪天候等あまたの苦難の中、植物特定採集を継続するその行動は、前述のウォレスに相当する持続性を見せるのだ。
なにが彼をして、このような艱難辛苦に向かわせたのだろうか。
15年間の南米生活は、彼には別段の富も名声も、もたらしはしなかった。
この本は、2004年6月30日に文教大が購入していたのにも係わらず、小生のような物好きが2005年暮に借りたのが初めてであったのだ。
新種を発見し、その特定を自分で行う喜び、なのであろうか。
また、ウォレスの注釈文中、植物に於ける適者生存について言及している箇所があり、彼がダーウィンとほぼ同時に至った「進化」の概念に近い記述となっていることは、大変興味深い。
残念なことは、文中地名を手がかりにGoogle Earthで詳細地勢を確認しようにも、ウェブ検索に当該地名がなかなかヒットしないことである。