歴史を揺るがした星々

―天文歴史の世界
編:作花 一志 福江 純
恒星社厚生閣 (2006/06/05 出版)
ISBN:9784769910411
古代の人々は、非日常的な天文現象に驚き、しばしばそのことを文章で残すことがあった。
現代では、過去の日食・月蝕等が発生した日時が詳しく推定できるので、特に観測場所が限られる日食の場合、有力な裏取りが可能になる。
なかでも、卑弥呼の日食、言い換えると、天照大神(アマテラスオオミカミ)の天の岩戸伝説は、日食の過程を神話的に記述したのではないかと言われる説がある。
この本では、実はそれはどうも疑わしいのではないか・・・との見解を記す。
というのは、古代の地球の自転周期は現在よりも早かった、ということを反映させた結果、そのことに行き当たった。ということらしい。
上述のことを反映させた分かりやすい図がある。
241-260年における日食の軌跡をNASAが公開している。
http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEatlas/SEatlas1/SEatlas0241.GIF
青色は皆既日食で、赤色は部分日食が観測された地域。
なるほど、247年3月24日と248年9月5日共、微妙に日本西部地域は含まれていない。
現実は、ロマンを否定するのか。